SVOO(第4文型)やSVOC(第5文型)、sayなどの動詞を用いた受動態は、受動態の基本を学んだ学習者でも少し複雑でわかりにくいかもしれません。今回はそんなちょっと特殊な受動態に絞って説明します。
受動態の基本については以下の記事で解説しました。
受け身を表す受動態の基本と作り方を5つのパターンとともに解説!1.SVOO/SVOCの受動態
SVOO(第4文型)とSVOC(第5文型)それぞれの受動態について順番に解説していきます。
1-1.SVOO(第4文型)の受動態
受動態とは目的語を主語に移動したものという話でしたが、SVOO(第4文型)のような目的語が2つある場合、どちらも主語にしても受動態をつくることができます。
- Bob gave her a present. ボブは彼女にプレゼントをあげた。
この例文を受動態にすると、
- 直接目的語(物:a present)を主語にした場合:A present was gave (to) her by Bob. プレゼントはボブによって彼女に与えられた。
- 間接目的語(人:her)を主語にした場合:She was gave a present by Bob. 彼女はボブからプレゼントをもらった。
以上のようになります。
give型の場合、前置詞toに続くのがherやhimのような人称代名詞であれば前置詞toはあってもなくても構いません。しかしbuy型の動詞を用いる際は必ず前置詞forが必要です。
- He made her a sandwich. 彼は彼女にサンドイッチを作ってあげた。
またbuy型は間接目的語を主語にした文をつくることができません。例えば、例文のHe made her a sandwich. を受動態に変える場合、
- ❌She was made a sandwich by him.
- ⭕A sandwich was made for her by him. サンドイッチは彼によって彼女のために作られた。
というように間接目的語であるherを主語にした受動態は誤りとなります。
1-2.SVOC(第5文型)の受動態
SVOC(第5文型)の場合、受動態の主語にできるのは目的語のみです。したがって、仮にCが名詞であってもCを主語にして受動態にすることはできません。
- She keeps the house clean. 彼女はその家を綺麗にしている。
この例文を受動態にすると、
- The house is kept clean by her. その家は彼女によって綺麗にされている。
となります。
2.sayなどの受動態
- They say that he is a famous dancer in Japan. 彼は日本で有名なダンサーだと言われている。
この例文を受動態にすると、
- ①目的語(that節)を主語にする場合:It is said that he is a famous dancer in Japan.
- ②that節内の主語を文の主語にする場合:He is said to be a famous dancer in Japan.
の2通りになります。
①は本来、
- That he is a famous dancer in Japan is said (by them).
ですが、英語は頭でっかちな文を嫌うので形式主語と呼ばれるitを用いて、
- It is said that he is a famous dancer in Japan.
とします。
②はthat節内の主語heを文全体の主語にしたもので、この場合He is said that~ではなくHe is said to 動詞の原形となります。
say以外に、believe、think、knowなどの動詞の受動態においても同様に書き換えられます。