状態動詞とはknowのような継続性の意味を持つ動詞のことを言います。意識的に始めたりやめたりすることができないものです。
例えば、知っているということは唐突に始めたり、やめることができず、知っている状態が続きます。
一方で、動作動詞はwriteのような唐突に始めたりやめたりすることができる一回毎に区切りのあるものです。
その名の通り、状態動詞は継続性のある状態を表す動詞、動作動詞は一回毎に区切りのある動作を表す動詞と言えます。
1.現在形における状態動詞・動作動詞
状態動詞を現在形で用いた場合、現在を中心にして過去、未来の状態を表します。
- I live in Tokyo. 私は東京に住んでいます。
住んでいるという状態は今この瞬間だけでなく過去、未来もそうであるはずです。結果、今を基準としてしばらく変わらない状態を表します。
この今を基準としてしばらく変わらない状態については以下の記事の2-1.今を基準としてしばらく変わらない状態で解説しました。
現在形と現在進行形の違いを学び、それぞれの使い方を理解しよう一方、動作動詞を現在形で用いた場合、現在を中心に過去から未来に渡って繰り返される動作を表します。
- I eat breakfast every morning. 私は毎朝朝食をとります。
食べるという動作を今だけでなく過去も未来も行い、それが積み重なって現在の習慣という意味になるのです。
この現在の習慣については以下の記事の2-2.現在の習慣で解説しました。
現在形と現在進行形の違いを学び、それぞれの使い方を理解しようここまでのことをまとめると、
- 状態動詞の現在形→今を基準としてしばらく変わらない状態
- 動作動詞の現在形→現在の習慣
となります。
2.現在進行形における状態動詞・動作動詞
基本的に現在進行形にできる動詞は動作動詞のみです。なぜなら、状態動詞は既に~しているという継続性を持っているからです。
ただし、以下の場合であれば状態動詞でも進行形で用いられることがあります。
2-1.動作を表す意味で使われる場合
haveは持っているという意味で状態動詞として使われますが、食べるという意味も持ち、この場合動作動詞として扱われます。
- He is having fish now. 今彼は魚を食べています。
2-2.一時的な状態を表す場合
- He is being kind today. 今日の彼は親切だ。
be動詞~であるは状態動詞ですが、一時的な状態を表す場合は現在進行形にします。例文ではいつもはそうではないのに今日に限って彼は親切だというニュアンスになります。
- He is kind. 彼は親切だ。
のように進行形にしない場合、いつもの彼の性格・性質を述べることになり、彼は親切な性格だという意味合いになります。
2-3.変化している途中を表す場合
例えば、resemble〜に似ているは状態動詞です。したがって、基本的に進行形にすることはありません。しかし、段々と似てきているという変化している途中を表す場合には進行形にします。
- He is resembling his father more and more. 彼は段々お父さんに似てきている。
2-4.意識的に行われる行為を表す場合
動作動詞の特徴として唐突に始めたりやめたりできることを挙げましたが、このように元々が状態動詞であっても、唐突に始めたりやめたりできる(意識的に行われる)行為であれば進行形にすることができます。
例えば、thinkは通常、(意見として)〜と思う、考えるという意味では状態動詞として使われます。
- I think he is kind. 彼は優しいと思う
彼が優しいと思うことは自分の意思で唐突に始めたりやめたりすることはできません。したがって、このthinkは状態動詞であり進行形にすることは不可能です。
- I’m thinking about tomorrow. 私は明日について考えている。
一方で、例文のように自分から意識的に考えるという意味でのthinkは動作動詞として扱われ、進行形にすることができます。
3.完了形における状態動詞・動作動詞
- 状態の継続:現在完了・過去完了で状態動詞を用いる
- 動作の継続:現在完了進行形で動作動詞を用いる
基本的に状態動詞は進行形にしないという話でした。この基本に従い、完了形においても状態の継続を表す場合は、現在完了進行形は使わず現在完了形を用います。一方で、動作の継続を表す場合は現在完了進行形を用いるのが一般的です。
ただし、否定文の場合、動作の継続を表すとしても現在完了形を使うことができます。なぜなら動作の否定とはその動作をし続けていない状態と言えるからです。
また、learn、study、rain、work、stayなどの動詞は動作動詞ですが、現在完了形で継続の意味を表すことができます。これは動詞の意味に継続性が含まれているからです。
4.状態動詞一覧
4-1.感情や心理を表す動詞
4-2.知覚を表す動詞
ただし、smellはにおいを嗅ぐという意味では意識的に行う行為ですから動作動詞として扱われ、進行形にすることが可能になります。同様に、tasteも味見をするという意味では動作動詞となります。