今回は第4文型(SVOO)を第3文型(SVO)に書き換える方法について解説します。
第4文型の基礎については以下のページで解説しました。
文を作る英語の5文型を解説! 第1文型SVから第5文型SVOCまで網羅
- He gave me apples. 彼は私にりんごをくれた。
第4文型とは主語+動詞+間接目的語+直接目的語(SVOO)というもので、誰から誰に物が移動するのかを表す文型です。移動する物(例文ではapples)が直接目的語~(物)を、移動する先(例文ではme)が間接目的語~(人)にとなっています。
この第4文型は主語+動詞+直接目的語+前置詞+直接目的語という第3文型(SVO)に書き換えることができます。これが第3文型と言えるのは、前置詞+直接目的語がこれで前置詞句となり文の要素ではなくなり、主語+動詞+目的語とみなすことができるからです。
先の第4文型の例文をこのルールに従って第3文型に書き換えると以下のようになります。
- He gave apples to me. 彼は私にりんごをくれた。
さて、ここで問題となるのが第4文型から第3文型にする際に生じる前置詞です。この前置詞は例外もありますが、基本的にtoかforとなります。用いる動詞によってtoかforかが決まります。
1.toの場合
間接目的語である誰にがなければ文として成立しない動詞を用いる時、前置詞はtoになります。
例えば、giveという動詞を使う時、私はりんごをあげただけではおかしな文になってしまいます。誰に与えるのか、という物が移動する先の着地点が必要ですから、その着地点を指し示すという意味合いで前置詞toが使われるのです。 前置詞にtoを用いる動詞の例は以下のようになります。
2.forの場合
一方で、誰にがなくても文が成立する動詞を用いる時、前置詞はforになります。
例えば、buyという動詞を使い、
- I bought apples. 私はりんごを買った。
と言っても意味の通った文となり全く問題ありません。このように誰にがなくても文が成立する場合に、誰のためにという意味合いで前置詞forが使われます。
前置詞にforを用いる動詞の例は以下のようになります。
3.例外:askとbring
前置詞がtoの動詞、forの動詞をそれぞれ解説しましたが、ここからは例外としてaskとbringについて説明していきます。
3-1.ask
- Can[May] I ask you a favor? お願いがあるのですが。
- Can[May] I ask a favor of you?
askの場合、第3文型に書き換える時の前置詞はofになります。ただし、基本的にaskはこの表現ask 人 a favor人にお願いをする以外では第3文型に書き換えることはあまりありません。
3-2.bring
- He brought me this CD. 彼は私にこのCDを持ってきた。
- He brought this CD to[for] me. 彼は私に[私のために]このCDを持ってきた。
bringの場合、toもforも使うことができますが、ニュアンスが異なります。toは単純に物が移動し届くことを表し、forは~のためにという目的を表します。
4.必ず第4文型で使う動詞
これまでは第4文型を第3文型に書き換える際のルールを解説してきました。ここからは補足として、第3文型に書き換えることができず、常に第4文型で用いられる動詞を紹介します。
- The cup costs me 200 yen. そのコップは200円だ。
- The homework took (me) an hour. 私はその宿題に1時間かかった。
- She envies Bob his happiness. 彼女はボブの幸せを妬んでいる。
- His car saved me the trouble of walking. 彼の車のおかげで歩く手間が省けた。
takeの例文で目的語であるmeは省略可能であり第3文型のように見えるかもしれませんが、元々目的語meが存在しているということなので第4文型です。
ただし、saveは取っておいてあげるという意味では前置詞forを用いる第3文型の文にすることができます。
- She saved me a doughnut. 彼女はドーナツを取っておいてくれた。