主格や目的格の関係代名詞を基礎から例文とともに解説!

関係代名詞(かんけいだいめいし)とは、形容詞節を作ることによって2つの文を1つの文にする接着剤のようなものです。

  • This is a student who studies English. こちらは英語を勉強している生徒です。

例文は一見すると1つの文ですが、これを分解すると、

  1. This is a student(先行詞). こちらは生徒です。
  2. The student(置き換え) studies English. その生徒は英語を勉強しています。

というように2つの文になります。a studentを説明する2つ目の文のthe studentを関係代名詞に置き換えることによって1つ目の文と2つ目の文が合体し、

  • This is a student who studies English.

最初の例文のようになります。

このように関係代名詞に接着剤のような働きがあるのです。

関係代名詞の働きがわかったところで、次に関係代名詞を用いた文を作るコツを解説します。

結論から先に言うと、コツは「2度出てきて重なっている部分を関係代名詞に置き換える」です。

  • This is a student (the student studies English).

上は2つの文を強引に1つにしたものです。ここではthe studentが「2度出てきて重なっている部分」なので、the studentを関係代名詞に置き換えてください。

  • This is a student (who studies English).

これで関係代名詞を用いて2つの文を合体させることができました。

覚えておきたい用語として関係詞節というものがあります。2度出てきて重なっている部分(the student)を関係代名詞に置き換えると、置き換えた方の文は関係詞節となります。関係詞節は「形容詞のカタマリ」となって名詞を修飾します。

今回は()で示される(who studies English)が関係詞節です。

また、この関係詞節が形容詞のように修飾する名詞を先行詞(せんこうし)と言います。ここではa studentです。

ここまでのことを簡単にまとめましょう。

  • 2度出てきて重なっている部分はどこなのか?

を把握し、この部分を関係代名詞に置き換えることで2つの文を1つの文にすることができます。

人類の叡知を超えたゴリラ
2度出てきて重なっている部分に接着剤(関係代名詞)を塗ってくっつけるのだ。ウホ

ただ関係代名詞に置き換えると言ってもwhoやwhichなど様々な関係代名詞があり、どれを使うべきなのかわからないという人もいるかもしれません。今回はそれら関係代名詞の使い分けについても解説していきます。

1.主格:who(人)・which(人以外)

関係代名詞がその関係詞節の中で主語である場合、その関係代名詞を主格の関係代名詞と言います。同じ主格でも先行詞が「人」ならwho、「人以外」ならwhichを使います。

このように解説されてもすぐにはわからないと思うので、関係代名詞を用いた文の作り方を説明しつつ話を進めます。

  • The boy who studied in the library was Tom. 図書館で勉強していた少年はトムだった。

この例文は、

  1. The boy was Tom. その少年はトムでした。
  2. The boy studied in the library. その少年は図書館で勉強していました。

という2つの文がthe boyを中心に合体したものです。

  • The boy (the boy studied in the library) was Tom.

強引ですが、1つ目の文に2つ目の文が組み込まれたイメージです。the boyが2度出てきて重なっているのがわかります。

このままでは文として成立しないのでカッコ内のthe boyを関係代名詞に置き換えます。the boyはカッコ内において主語であり、また先行詞The boyが「人」ですから主格の関係代名詞whoを使います。

2.目的格:whom(人)・which(人以外)

関係代名詞がその関係詞節の中で目的語である場合、その関係代名詞を目的格の関係代名詞と言います。同じ目的格でも先行詞が「人」ならwhom、「人以外」ならwhichを使います。

先程と同様に目的格の関係代名詞を用いた文の作り方を説明しつつ話を進めます。

  • The boy whom I met in the library was Tom. 私が図書館で会った少年はトムだった。

この例文は、

  1. The boy was Tom. その少年はトムでした。
  2. I met the boy in the library. 私は図書館で少年に会いました。

という2つの文がthe boyを中心に合体したものです。

  • The boy (I met the boy in the library) was Tom.

これもまた強引に文を合体させてみました。今回もthe boyが2度出てきて重なっていますね。

この重なっているthe boyのうちカッコ内の方を関係代名詞に置き換えます。

カッコ内ではthe boyは目的語かつ「人」です。したがって、適切な関係代名詞は目的格の関係代名詞whomとなります。

3.所有格:whose

先行詞が「人」でも「人以外」でも所有格の関係代名詞は必ずwhoseです。

  • The boy whose father plays basketball plays baseball. 父がバスケットボールをしているその少年は野球をしている。

この例文は、

  1. The boy plays baseball. その少年は野球をしています。
  2. His father plays basketball. 彼の父はバスケットボールをしている。

という2つの文を関係代名詞によって繋げたものですが、これまでのthe boyとは異なり2度出てくるものがないように感じます。

ここで2つ目の文のHisに注目します。このHisはThe boy’sという所有格です。こっそりThe boyは二度出てきているのです。

  • The boy (the boy’s father plays basketball) plays baseball.

またもや2つの文を合体させてみました。Hisは既にthe boy’sに直してあります。

これまで通り、カッコ内の2度出てきて重なっている部分を関係代名詞に置き換えてみましょう。カッコ内ではthe boy’sは所有格です。したがって所有格の関係代名詞whoseを使い、最初の例文のようになります。

4.that

関係代名詞のthatは関係代名詞who、whom、whichの代わりに使用することができます。特に、以下の場合、thatを用いた方が好ましいとされます。

①先行詞に最上級、the first、the only、the veryなどが修飾している場合
  • This is the only vegetable that I like. これは私が好きな唯一の野菜です。

ただし先行詞が「人」の場合はwhoを用いるのが普通です。

②先行詞がall、any(thing)、every(thing)、no(thing)、noneなどの場合
  • There was nothing that I wanted. 私が欲しいものは何もなかった。
③先行詞が「人 + 人以外」である場合
  • I remember the boy and his dog that were walking at the street. その道路を歩いていた少年と犬を私は覚えている。

ここでの先行詞はthe boy(人)とhis dog(人以外)です。こういった場合はthatを用います。

④先行詞が疑問詞who、whichである場合
  • Who that knows him wants to be friendly to him. 彼を知っている人で、誰が彼と親しくするのだろうか。

ここで関係代名詞whoを使ってしまうと、whoが連続して使われてしまうので見た目がよくありません。それを避けるためにthatを用います。

⑤先行詞が人の職業・性格・性質・状態などを表し、関係代名詞節内で補語を担う場合
  • I’m not the man that I was yesterday. 私は昨日の私ではない。

この場合のthatは省略されるのが普通です。

5.what

  • I don’t believe what you said. 私はあなたの言ったことを信じない。

関係代名詞whatは他の関係代名詞と異なり、whatそれ自身に先行詞が組み込まれています。そのためwhat = the thing which(関係代名詞)~~であること[もの]と考えることができます。

例えば、先の例文ではwhat you said = the thing which you saidということになります。

6.前置詞と関係代名詞

  • This is the town which I live in. これは私が住んでいる街だ。

例文は、This is the town. とI live in the town. を関係代名詞を用いて1つの文にしたものです。今回の例のように前置詞の目的語を関係代名詞にして1つの文にすることもでき、その場合は例のように前置詞を残します。

またこの文はいくつかの文に書き換えることができ、

  • This is the town which I live in.
  • This is the town which[that] I live in.
  • This is the town in which I live.

上に行くほど口語体、下に行くほど文語体になります。

in which I liveのように動詞と前置詞を切り離すことが可能という話でしたが、動詞と前置詞の結びつきが強い群動詞の場合は2つを切り離すことはできません。

  • Tom is the man whom I spoke to yesterday. トムは昨日私が話しかけた男性です。
  • Tom is the man to whom I spoke yesterday.

関係副詞(かんけいふくし)については以下の記事で解説しました。

4つの関係副詞(where・when・why・how)を例文とともに解説