英語には現在形や過去形、現在進行形のほかに、○○完了形(かんりょうけい)という時制が存在します。このページで学習する現在完了形と現在完了進行形もそのうちのひとつです。
現在形や過去形との違い、現在完了形と現在完了進行形の使い分けについて一緒に見ていきましょう。
1.現在完了形
現在完了形という言葉だけをみると「現在すでに完了している行為」を表している時制に見えます。
もちろんこうした用法もあるのですが、それだけでなく、合わせて3種類の用法が現在完了形にはあるので、それらを学習します。
現在完了形は、現在に重きを置いて、過去のある時点から現在までの流れを表現します。
1-1.完了・結果
- I lost my key. 私は鍵をなくした。(過去形)
- I have lost my key. 私は鍵をなくした。(現在完了形)
現在完了形1つ目の用法は「完了・結果」です。過去形は単純に「今から見て過去に起きた行為・状態」を表しますが、現在完了形は「今から見て過去に起きた行為が現在まで続いている状態」を表します。
- 過去形:今から見て過去に起きた行為・状態
- 現在過去形:今から見て過去に起きた行為・状態が現在まで続いている状態
現在完了形を使った2つ目の例文は、「過去に鍵をなくして、それが現在においても続いている(鍵をなくしたまま)」状態を表しています。
もし、I lost my key. 私は鍵をなくしたと動詞を過去形にした場合、「過去に鍵をなくしたこと」は伝わりますが、現在については何も言及しないことになります。
完了・結果の用法では、以下の副詞を伴うことが多々あります。
- already すでに
- yet まだ~ない もう~したか
- now たった今
- just ちょうど
1-2.経験
- I have visited Paris before. 私は以前パリを訪れたことがある。
- I have climbed the mountain many times. 私はその山に何度も登ったことがある。
- He has never played tennis. 彼は一度もテニスをしたことがない。
2つ目の「経験」用法では、過去(生まれた時)から現在に至るまでの経験を表しています。日本語に訳す時は「〜したことがある」という風にするのが自然です。
- I visited Paris. 私はパリを訪れた。(過去形)
- I have visited Paris. 私はパリを訪れたことがある。(現在完了形)
過去形と比べると、単純に過去に起きた出来事を表すだけの過去形と違って、現在完了形では「経験」のニュアンスが入っていることが分かりますね。
「経験」用法では、以下の副詞を伴うことがあるので覚えておきましょう。上の例文でも使われていますね。
- once 一度
- twice 二度
- many times 何度も
- before 以前に
- never 1度も~ない
- often しばしば
1-3.継続
- I‘ve been here since 10 o’clock. 私は10時からここにいる。
- He has been ill in bed for three days. 彼は3日間、病気で寝ている。
現在完了形3つ目の用法は「継続」です。「継続」とは、「過去のある時点から現在に至るまでの状態の継続」を表します。
動詞には「状態」を表す種類と「動作」を意味する動詞の2種類が存在します。現在完了形の「継続」用法が適応されるのは状態動詞だけで、動作動詞の「継続」を表す時はこれから習う現在完了進行形を使います。
- 状態動詞:be動詞 love〜を愛している
- 動作動詞:study〜を勉強する touch〜を触る
継続の用法では、以下の副詞を伴うことが多くあります。
- for+期間 ~の間
- since ~以来
- always ずっと
2.現在完了進行形
- I‘ve been waiting for you. あなたのことを待っています。
- We have been playing baseball since this morning. 私達は今朝からずっと野球をしています。
現在完了進行形の形はhave[has]+been+~ingです。現在完了進行形は、過去のある時点から現在に至るまでの「動作」の継続を表します。
現在完了形の「継続」用法で見たように、現在完了進行形は「動作動詞」しか使うことができないので注意しましょう。
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