叙述用法とは第2文型SVC(主語+動詞+補語)または第5文型(主語+動詞+目的語+補語)のうち、Cの補語として使われる用法のことです。
今回は現在分詞・過去分詞が補語として使われるケース(叙述用法)について分類しながら解説します。
現在分詞・過去分詞の限定用法に関しては以下のページで解説しました。
1.必ず補語が必要な動詞を用いる場合(SVC)
- She kept crying. 彼女は泣き続けた。
keep〜し続ける remain〜のままだ look〜に見える、〜のようだ など必ず補語が必要な動詞を用いる場合に、現在分詞・過去分詞が使われます。
2.補語がなくても文が成立する動詞を用いる場合(SVC)
- He sat surrounded by his family. 彼は家族に囲まれて座っていた。
分詞surroundedは囲まれてという意味で、主語の状態を説明する補語となっています。過去分詞になっているのは彼が家族に囲まれているという受動的な意味だからです。
訳し方はそれぞれ現在分詞~しながら 過去分詞~されてとなります。
このような動詞はsit座っているの他に、walk歩く come来る stand立っているなどです。
ただし、go ~ingは~しに行くという意味になります。
- I go fishing everyday. 私は毎日釣りに行きます。
3.知覚動詞(SVOC)
- He saw a man walking. 彼は歩いている男性を見た。
- She saw a dog approaching. 彼女は犬が寄ってくるのを見た。
知覚動詞(ちかくどうし)とは見える・聞こえるなど、五感にまつわる動詞のことを指します。
上の例のように知覚動詞と現在分詞・過去分詞がセットになると、
- Oが〜する/されるのを見える
- Oが〜する/されるのが聞こえる
のような文を作ることができます。
知覚動詞には以下のものがあります。
現在分詞と原形不定詞の違い
- I saw him crossing the street. 私は彼が道路を横断しているのを見た。(現在分詞)
- I saw him cross the street. 私は彼が道路を横断するのを見た。(原形不定詞)
先の例文のように現在分詞を用いた場合、横断している最中の彼を見たことになります。一方で、原形不定詞を用いた場合、横断し始めてから横断し終えるまでの一部始終を見たことになります。
4.使役動詞(SVOC)
使役動詞とは〜させるの意味を持つmake、have、letのことです。getは正確には使役動詞ではありませんが、似ているので一緒に紹介します。
4-1.make+O+過去分詞:Oを~されるようにする
- I can make myself understood in French. 私はフランス語で意思を伝えることができる。
make oneself understood自分の意思を伝える make oneself heard自分の声を聞かせるのような慣用表現に限られます。
4-2.have/get+O+現在分詞:Oを~させる
- She got them working. 彼女は彼らを働かせた。
Oが〜しているというように継続した動作を表します。ここでの継続した動作とは「彼らが働いている(them working→They were working.)」の部分です。
一方で、完結した動作を表す場合は現在分詞の代わりに原形不定詞を用います。
4-3.have/get+O+過去分詞
(1)使役:Oを~してもらう/させる
- I had the wall painted. 壁にペンキを塗ってもらった。
(2)被害:Oを~される
- I had my wallet stolen. 私は財布を盗まれた。
「被害」の意味でも偶発的な事故(起こったことに対して自分が責任を感じていない)の場合、getが用いられます。
- I got my finger caught in the door. 私はドアに指を挟まれた。
以上が使役動詞とともに現在分詞・過去分詞が使われるケースの解説です。letも使役動詞ですが、let+目的語+現在分詞/過去分詞という形は存在せず、let+目的語+原形不定詞という形しかないため、ここでは紹介しませんでした。
5.その他の動詞(SVOC)
5-1.keep
- He kept me waiting. 彼は私を待たせた。
keep+目的語+現在分詞/過去分詞でOをCにしておくという意味になります。
5-2.leave
- Don’t leave valuables unattended. 貴重品から目を離さないでください。
leave+目的語+現在分詞/過去分詞でOをCにしておくという意味になります。keepは保つというニュアンスを含みながらしておくという意味になっているのに対し、leaveは放置するという意味合いでしておくという意味になっています。
5-3.find
- I found him injured. 私は彼が怪我しているとわかった。
find+目的語+現在分詞/過去分詞でOがCであるとわかる[発見する]という意味になります。