名詞は大きく分けて可算名詞(かさんめいし)と不可算名詞(ふかさんめいし)があるという話を以下の記事で解説しました。
今回は可算名詞と不可算名詞をもっと細かく分類し、名詞についての理解を深めていきましょう。
早速ですが、可算名詞と不可算名詞をさらに細かく分類すると以下のようになります。
- 可算名詞
- 普通名詞
- 集合名詞
- 不可算名詞
- 集合名詞
- 物質名詞
- 抽象名詞
- 固有名詞
集合名詞だけはその名詞によって可算名詞にも不可算名詞にもなり得ますが、基本的に可算名詞としてのみ使用される、不可算名詞としてのみ使用される名詞が多いとわかります。例えば、物質名詞であれば不可算名詞としてのみ使用されます。
では1つずつ見ていきましょう。
1.普通名詞
appleリンゴやelephant象のように具体的な形を持ち、数えられる名詞を普通名詞(ふつうめいし)と言います。数えられる名詞、すなわち可算名詞ですので、単数形で用いられる場合は冠詞や数詞、所有格などがつきます。
day日やhour時間、meterメートルなどの単位を表す名詞には具体的な形はありませんが、一定の区切りがあり数えられるものですので普通名詞に含まれます。
一番オーソドックスな可算名詞と言えるでしょう。
2.集合名詞
集合名詞(しゅうごうめいし)は3つのタイプに分類できます。ここではfamily型、police型、furniture型の3つに分けて解説します。
2-1.family型
family型の集合名詞には2つの用法があります
①家族を一つのまとまりと見なす場合
- We are a family of five. 私達は5人家族です。
家族をひとまとまりのものと見なす場合、単数形になります。これは何人家族であっても変わりません。ただし、A家、B家、C家というように複数の家族を指す場合は複数形になります。
- There are three families here: the Oda, the Toyotomi and the Tokugawa. ここには3家族がいる。織田家、豊臣家、徳川家である。
②家族を構成する一人一人に注目する場合
- All my family play the piano. 私の家族は全員ピアノを弾く。
家族を構成する一人一人に注目すると、その家族のメンバーは複数人いるわけですから、familyという単数形でも複数扱いになります。例文のfamilyは複数扱いであるため三人称単数現在とならず、動詞playはplaysのようにsを加えません。
family型の集合名詞には以下のようなものがあります。
2-2.police型
- There are many people at the park. その公園には多くの人々がいる。
見た目は単数形でも常に複数扱いされる集合名詞がpolice型の集合名詞です。
police型の集合名詞には以下のようなものがあります。
これらの個々の構成メンバーを指す場合には、police→a police officer、people→a person、cattle→a cowとします。
- Two peoples live in this area. この地域には2つの民族が住んでいる。
人々を意味するpeopleは単数形でも複数扱いされます。しかし例文のように国民・民族を意味するpeopleは普通名詞と同じように扱われます。
2-3.furniture型
- There is little furniture in my room. 私の部屋には家具がほとんどない。
furniture型は集合名詞の中で唯一不可算名詞です。例文でも不可算名詞として扱われているため、可算名詞を修飾するfewではなく不可算名詞を修飾するlittleが使われています。
furnitureのように机や椅子などの様々な家具をひとまとめに指す集合名詞は必ず単数形で単数扱いになります。furnitureを数える場合はa piece of furniture、two pieces of furnitureとし、不定冠詞a[an]は使用できません。また多くの家具とする場合は、many furnitureではなくmuch furnitureとします。
furniture型の集合名詞には以下のようなものがあります。
2-4.集合名詞fruitとfish
fruitとfishも集合名詞ですが、他の集合名詞とは少しルールが異なる名詞です。これまでに紹介した集合名詞の3つの型に当てはまらない例外と考えます。
ではそれぞれ細かく見ていきましょう。
①fruit
- There are much fruit in the basket. カゴの中にたくさんの果物がある。
通常fruitは不可算名詞です。例文のようにたくさんという意味ではmanyではなくmuchを使います。また不可算名詞なのでfruitsのようにsを付けません。
- There are many fruits in the basket. カゴの中にたくさんの種類の果物がある。
一方で、種類を強調する場合だと可算名詞扱いになるため、例文ではmanyを使い可算名詞の複数形fruitsとしています。
②fish
- I caught two fish. 私は魚を2匹釣った。
通常fishは可算名詞で、単数でも複数でも形は変わりません。例文のようにtwo fishと複数の場合であってもfishesではなくfishとなります。
- There are many fishes in the sea. 海にはたくさんの種類の魚がいます。
一方で、種類を強調する際、複数であればfishesとします。
3.物質名詞
- I have a cup of tea every morning. 私は毎朝1杯のお茶を飲む。
水やお金などの決まった形のない物質を表す名詞を物質名詞(ぶっしつめいし)と言います。数えることはできないので不可算名詞に分類されます。したがって、不定冠詞a[an]はつかず、複数形も存在しません。
もし物質名詞を数えたい場合は、a piece of paper紙1枚のように単位を示す語を物質名詞の前に置く必要があります。以下が単位を示す語の一覧です。
形
容器
単位
また物質名詞の一覧は以下の通りです。
4.抽象名詞
His knowledge is correct. 彼の知識は正しい。
抽象名詞(ちゅうしょうめいし)とは抽象と言うように、抽象的で形のない概念を表す名詞のことです。数えられないので不可算名詞に分類され、不定冠詞a[an]はつかず複数形にもなりません。
また、抽象名詞はofやwithなどの前置詞と一緒に使われることで、形容詞や副詞として機能します。
- of + 抽象名詞 = 形容詞
- with/in + 抽象名詞 = 副詞
- of importance = important
- with ease = easily
抽象名詞の一覧は以下の通りです。
5.固有名詞
- Tom played soccer yesterday. トムは昨日サッカーをした。
人や場所などの固有の名前を表す名詞を固有名詞(こゆうめいし)と言い、必ず大文字から始めます。特別な理由がない限り、冠詞はつきません。