今回は私が好きな英語の名言を5個紹介します。単に英語の名言を紹介するだけでなく、そこで使われている文法や単語、訳し方のコツなども解説していきます。楽しみながら学んでいきましょう。
シェイクスピア
- A fool thinks himself to be wise, but a wise man knows himself to be a fool.
愚者は自分が賢いと思うが、賢者は自分が愚者であると考える。
シェイクスピアは『ハムレット』や『リア王』、『ロミオとジュリエット』など数多くの有名な作品を残しました。
このシェイクスピアの名言はソクラテスの「無知の知」に通ずるものがありますね。「自分にはまだまだ知らないことがあるから、もっと学んでいこう」という姿勢を大切にしていきましょう。
文法・単語・訳し方
foolは形容詞で愚かなという意味がありますが、名詞だと愚かな人、愚者と訳されます。
「think O to be C」はOをCとみなす、OがCだと思うを意味します。「O = C」の関係になっていることに注意しましょう。
アインシュタイン
- The more I learn, the more I realize I don’t know. The more I realize I don’t know, the more I want to learn.
学べば学ぶほど、自分がどれだけ無知であるか思い知らされる。自分の無知に気づけば気づくほど、より一層学びたくなる。
ドイツ生まれの理論物理学者、アインシュタインの名言です。彼は天才と言われていますが、実は5歳まであまり言葉を発しなかったと言われています。
私がこの名言を初めて知ったのは英和辞典の例文でした。当時学生だった私は勉強する度に「自分はこんなことも知らなかったのか」と思っていたので、名言と境遇が一致しており強く印象に残っています。
文法・単語・訳し方
最初の文でも次の文でも「the 比較級 〜, the 比較級 ……」という表現が使われています。 訳は〜すればするほど……です。
重要な表現なのでしっかり覚えましょう。
アリストテレス
- Happiness depends upon ourselves.
幸せかどうかは自分次第である。
古代ギリシャの哲学者、アリストテレスの名言です。これは言葉通りの意味で「自分が幸せと思えば幸せ」なのです。
文法・単語・訳し方
「depend upon[on] A」には①A次第である、Aによって決まると②Aに依存する、Aに頼るという2つの意味がありますが、今回は①の意味です。
ニーチェ
- He who fights with monsters should look to it that he himself does not become a monster. And if you gaze long into an abyss, the abyss also gazes into you.
怪物と戦う者は自分自身が怪物にならないように注意すべきである。深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ。
ドイツの哲学者、フリードリヒ・ニーチェが書いた『善悪の彼岸』に掲載されている名言です。
元はドイツ語ですが、個人的に好きな名言なので紹介します。
深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ。という翻訳がかっこよくて印象に残っています。ただ意味を正しく理解しているかと言われると、そうでもないです。私は「ミイラ取りがミイラになる」と認識していますが、正確な意味は違うかもしれません。翻訳のかっこよさを楽しみましょう。
文法・単語・訳し方
Heの後に関係代名詞whoが続いているので文法的に間違っていると感じた人もいるかもしれません。
ここでのheは彼はと訳さず、「性別が特定されていない人」を指します。この場合のheであれば先行詞とすることができ、今回の名言のように直後に関係代名詞whoを続けることができます。
「look to it that 〜」は〜となるように注意する、心がけるという意味です。
that節内のheは文頭のHeと同一人物なので自分と訳しましょう。
gazeは自動詞で凝視するという意味です。lookなどよりもじっくり見るニュアンスが強いのが特徴です。多くの場合、atやintoなどの前置詞と一緒に使われます。
スティーブ・ジョブズ
- Stay hungry. Stay foolish.
ハングリーであれ。愚か者であれ。
Appleの創業者であるスティーブ・ジョブズの名言です。彼のスピーチはこの名言で締め括られています。彼がスピーチで話しているように、この名言は元々『全地球カタログ』という本に書いてあったものでジョブズ自身の言葉ではありません。
「『愚か者』ってどういうことだろう?」と思う人がいるかもしれません。ここでの「愚か者」は「本当に愚かな人」のことではなくて「変に周りを気にして考えすぎず、常識にとらわれない人」を意味しています。
つまり、この名言は「ハングリー精神を忘れずに、そして常識にとらわれずに、自分の内なる声を信じて進め」という意味なのです。
以下はスピーチの動画です。日本語字幕が付いていますし、リスニングの練習にもなります。
文法・単語・訳し方
hungryには空腹のという意味がありますが、今回は渇望してと訳しましょう。