今回はよく使われる前置詞を1つずつ解説していきます。前置詞は種類が多く意外と難しく感じるかもしれませんが、まずはそれぞれの基本の意味・イメージを理解しましょう。
前置詞全体に関する基本知識については以下の記事で解説しました。
at
- We played baseball at the park. 私達はその公園で野球をしました。
atは一点を指すイメージです。場所の意味で使われれば、地図の一点を指すように地点を表します。時間の意味で使われれば、at 6 o’clock六時のように時の一点を指します。
on
- There is an apple on the table. 机の上にりんごが1個あります。
例文のように、onと言いますと、~の上にという印象を持つかもしれませんが、必ずしもonは~の上にという意味ではありません。
- There is an insect on the wall. 壁に虫が1匹とまっている。
onはくっついているというイメージを持っているので、天井や壁などにくっついていることを表す場合でもonを使用することができます。
in
- There is many apples in the box. 箱の中にたくさんのリンゴがある。
inは立体的な空間の中というイメージを持ちます。これが場所の意味で使われれば、in the houseのように家の中となります。また時間や期間の意味で使われれば、in 2000というように2000年という期間の中につまり2000年にとなります。
to
toは方向と到達点というイメージを持ちます。
- I went to the park. 私はその公園に行きました。
例文のtoは、公園のある方向だけでなく公園という到達点も指しています。
- I gave him my pen. 私は彼にペンをあげた。
この文を書き換えると、
- I gave my pen to him.
となりますが、物を与えるということは物が移動して相手の元に到達することだからtoを用いるのです。
from
fromは起点というイメージを持ちます。
- I’m from Japan. 私は日本出身です。
例文のように私の起点つまり出身をfromによって表すことができます。
- This ball came flying from the window. 窓からこのボールが飛んできた。
他にも起点ということで場所の起点すなわち出発点を表すこともあります。
- I’ll go to school from tomorrow. 私は明日から学校に通います。
同様に起点というイメージから、時の起点を表すこともあります。
- The heavy rain prevented us from playing soccer at the park. その豪雨のせいで、私達は公園でサッカーをすることができなかった。
fromには分離のイメージもあり、例文のように〜をしないようにするという意味で使われることもあります。
for
forは方向のイメージを持っています。
toとは異なり、到達点を含まない方向だけのイメージしかないforを用いると、
- I left for Tokyo. 私は東京へ出発した。
のように、実際に東京に到達したか否かについては言及しないことになります。
到達している否かに関わらず、方向のみを表すのがforなのです。
この方向というイメージからforは、目的の意味を持ちます。
- He made a cake for her. 彼は彼女のためにケーキを作った。
あくまでも目的とはそこに到達していないので目的と言うわけですから、到達点を含まない方向だけのforは目的の意味を持つのです。
他にも賛成の意味も持ちます。
- I’m for your plan. あなたの計画に賛成します。
その提案へ方向が向いているということから賛成の意味になります。逆に反対を意味する場合はagainstを使います。
- I have been running for three hours. 私は3時間走っている。
また、forは1時間、3日間、などといった期間を表すために使われることもあります。
during
- We practiced soccer during summer vacation. 私達は夏休みの間サッカーを練習した。
前置詞duringは特定の期間を示し、~の間や~の間中といった意味を持ちます。
forがfor five days5日間のように時間の長さを表すために用いられるのに対し、duringはduring the meeting会議中にのようにいつに答えるものを導きます。
of
- I became a member of the tennis club. 私はテニス部の一員になりました。
所属や所有という関係性をofは表します。
- I got rid of a broken plate. 私は割れた皿を捨てた。
ofには分離の意味もあり、例のようにI(私)とa broken plate(割れた皿)が分離する様子を表現することができます。
例文で使われているget rid of〜は〜を捨てる、廃棄するという意味です。
about
- I got a lot of information about the accident. その事故に関する情報を手に入れた。
aboutは関連を表し、〜についてと訳されます。
with
- I went to the park with them. 私は彼らと一緒にその公園に行った。
withには付随のイメージがあり、そこから一緒にという意味を持ちます。
- He live in the house with a garden. 彼は庭付きの家に住んでいる。
この付随のイメージから所有を表すこともあり、この場合〜を持ってなどと訳されます。
- He cut the paper with a pair of scissors. 彼は紙をはさみで切った。
withには道具の用法もあります。〜を使ってと訳すと良いでしょう。
by
- I go to school by train. 私は電車で通学しています。
byは手段を表し、〜でと訳されます。
手段のbyの後に来る名詞は無冠詞です。テストなどで問われることもあるので注意しましょう。
- Please, submit your homework by tomorrow. 明日までに宿題を提出してください。
byは期限の用法で使われることもあり、〜までにという意味になります。
until[till]
- We will play baseball until 6 o’clock. 私達は6時まで野球をするつもりだ。
until[till]は継続を示し〜までと訳されます。
byと混同してしまうことが多いので注意しましょう。byは〜までにですが、until[till]が〜までです。
after
- Tom went out after he finished his homework. トムは宿題を終わらせた後外出した。
afterは〜の後にという意味で使われます。
before
- Tom went out before he had breakfast. トムは朝食を食べる前に外出した。
beforeは〜の前にという意味で使われます。afterと対になる前置詞です。
along
- I walked along the river. 私は川に沿って歩いた。
alongは〜に沿ってという意味で、道や川に沿って進むイメージがあります。
across
- I swam across the river. 私は泳いで川を渡った。
acrossは〜を横切ってと訳されます。crossという言葉が入っているように境界を越えるや線的な空間を横切るイメージがあります。
through
- I walked through the tunnel. 私達は歩いてそのトンネルを抜けた。
throughは〜を通ってという意味で、筒や箱のような空間を突き抜けるイメージから貫通や通過のニュアンスが生まれました。
around
- We ran around our school. 私達は学校の周りを走った。
aroundは〜の周りと訳されます。
- The scientists come from around the world. 科学者達が世界中からやってくる。
〜のあちこちで[に]という意味もあります。
in front of
- Someone stands in front of my house. 誰かが自宅の前に立っている。
in front ofは〜の前にと訳され、位置関係を表します。
behind
- Someone is behind you. あなたの背後に誰かがいる。
behindは〜の後ろにという意味でin front ofと対になる前置詞です。
into
- Someone came into my house. 誰かが私の家の中に入ってきた。
intoは〜の中に[へ]と訳されます。外から中に入るイメージです。
out of
- The boy took a stone out of his pocket. 少年はポケットから石を取り出した。
out ofは〜の中から外へという意味です。
over
- Cloud is over the top of Mt.Fuji. 雲が富士山の頂上を覆っている。
overは〜の上にという意味で、上から覆うようなイメージです。
この上から覆うイメージから、
- We discussed the problem over a cup of tea. 私達は紅茶を飲みながらその問題について議論した。
のように〜をしながらという意味で使われることもあります。
紅茶の載っているテーブルの上で人々が話す様子が、overの持つ上から覆うようなイメージ(紅茶の載っているテーブルを人々が覆うようなイメージ)とマッチしたと考えましょう。
under
- There is a pencil under the table. 机の下に鉛筆があります。
underは〜の下にと訳され、overと対になる前置詞です。
above
- The helicopter is flying above skyscrapers. ヘリコプターが超高層ビルよりも高く飛んでいる。
aboveは〜より上にと訳され、ある基準があってそれより上にというイメージです。
overとは異なり、必ずしも真上にある必要はありません。例えば、例文では必ずしも超高層ビルの真上を飛んでいる必要はなく、空間的に建物よりも高いところを飛んでいることを意味します。
below
- The helicopter is flying below skyscrapers. ヘリコプターが超高層ビルよりも低く飛んでいる。
belowは〜より下にと訳され、ある基準があってそれより上にというイメージです。
underとは異なり、必ずしも真下にある必要はありません。例文では、超高層ビルの頂上より下の空間をヘリコプターが飛んでいます。映画のワンシーンのようなものをイメージするとわかりやすいかもしれません。
between
- Tom stands between Bob and Jack. トムはボブとジャックの間に立っている。
betweenは〜の間にという意味ですが、2つのものの間であることを表す際に使います。
3つ以上のものの間であることを表す場合には次に紹介するamongを用います。
among
- This fashion is popular among the young. このファッションは若者の間で人気だ。
amongは〜の間にと訳されます。3つ以上のものの間であることを表します。