不定詞と動名詞の使い分けを動詞の一覧とともに解説

不定詞と動名詞は動詞の目的語として使われることがあります。不定詞だけを目的語にとる動詞、動名詞だけを目的語にとる動詞、どちらを目的語にとっても問題ない動詞などがあり、使い分けが複雑な分野です。

今回はこうした不定詞と動名詞の使い分けについてわかりやすく解説します。

まだ不定詞、動名詞について勉強していない人は以下の記事を参考にしてください。

名詞的・形容詞的・副詞的用法の3用法と不定詞の否定形を解説

動名詞の基本的な用法と否定形・受動態・完了形を学ぼう

1.不定詞だけを目的語にとる動詞

  • I decided to go to the park. 私はその公園に行くことに決めた。

不定詞で使われるtoには元々未来を指し示す意味合いがあります。したがって、不定詞を目的語にとる場合、多くは未来のことについて言及します。例えば、先の例文では述語動詞decided決めた時よりも不定詞to go to the parkその公園に行く時の方が未来の出来事と言えます。

このように不定詞は未来のこと(これからしようとすること)に言及するため、積極性があります。例えば、decideであれば今後のことについて決定するという意図、hopeであれば未来に対する希望、といった積極性があります。これが不定詞を目的語にとる動詞の特徴です。

decide 〜することに決める、hope 〜することを望む、wish 〜したいと思う、manage 何とかして〜する、refuse 〜するのを断る、offer、expect 〜するつもりである、promise 〜すると約束する、pretend 〜するふりをする、mean 〜するつもりであるなど

2.動名詞だけを目的語にとる動詞

  • You should avoid taking a risk. 危険を冒すのは避けるべきだ。

動名詞を用いる場合、既にし終えたことや今していることに言及するという特徴があります。不定詞に比べると動名詞過去を見ており、消極的なのです。その消極性から回避中断を意味する動詞と相性が良く、avoidやescape、mind、postponeなどとともに動名詞は使われます。

admit 〜したことを認める、avoid 〜するのを避ける、finish 〜するのを終える、escape 〜するのを免れる、mind 〜するのを嫌がる、postpone 〜するのを延期する、put off 〜するのを延期する、enjoy 〜して楽しむ、consider 〜するかどうかと考える、imagine 〜するのを想像する、give up 〜するのを諦めるなど

3.不定詞と動名詞、どちらも目的語にとる動詞

これまでは不定詞と動名詞、どちらか一方しか目的語にとれない動詞を紹介してきました。ここからは不定詞と動名詞、どちらも目的語にとる動詞を紹介します。

3-1.意味があまり変わらない動詞

  • He started to cry[crying]. 彼は泣き出した。

startのように、目的語が不定詞でも動名詞でもほとんど意味が変わらない動詞は以下になります。

開始・終了・継続に関わる動詞

start 〜し始める、begin 〜し始める、cease 〜することをやめる、continue 〜し続ける

好き嫌いに関わる動詞

like 〜することが好きである、love 〜するのが大好きである、hate 〜することを嫌う

3-2.意味が異なる動詞

目的語が不定詞か動名詞かによって意味が異なる動詞があります。

stop

  • stop+不定詞 立ち止まって~する
  • stop+動名詞 ~するのをやめる

不定詞は(ここでは述語動詞stopよりも)未来のこと、つまりまだ起こっていないことに言及するので立ち止まって~するという意味になります(stop立ち止まるの後に不定詞の行為を実行するのであって、stop立ち止まるの時点ではまだ不定詞の行為は実行されていない)。

一方で、動名詞は既にしていることや今していることに言及するという特徴があります。また中断を意味する動詞とも相性が良いという話でした。したがって、動名詞を用いた場合の訳は~するのをやめるとなります。

forget

  • forget+不定詞 ~し忘れる
  • forget+動名詞 ~したことを忘れる

不定詞は(ここでは述語動詞forgetよりも)未来のこと、これから行うことについて言及するので、forget+不定詞で~(まだやっていないこれからのことを)し忘れるとなります。一方、動名詞は過去のことについて言及するので、forget+動名詞で~したことを忘れるとなります。

remember

  • remember+不定詞 ~することを覚えている
  • remember+動名詞 ~したことを覚えている

rememberの場合も、forgetの場合と全く同じ理由で以上のようになります。

try

  • try+不定詞 ~しようと努力する
  • try+動名詞 試しに~してみる

try+不定詞は不定詞の行為をしようとはするが、実際にしたかどうかはわかりません。一方で、try+動名詞は動名詞の行為を実際にしたことを表します。

  • I tried going a picnic, but it wasn’t not pleasant. 私はピクニックに行ってみたが、楽しくなかった。
  • I tried to go a picnic, but I couldn’t. 私はピクニックに行こうとしたが、できなかった。

例えば、try+動名詞となっている1つ目の例文では、実際にピクニックに行ったことになります(既にしたことを表す動名詞)。しかし、try+不定詞となっている2つ目の例文では、天候不良などの理由によりピクニックに行っていません(これからのことを表す不定詞)。

regret

  • regret+不定詞 残念ながら~しなければならない
  • regret+動名詞 ~したことを後悔する

こちらの使い分けも基本的にはこれまで話してきたことと変わりません。

不定詞はこれからのこと、言い換えればまだやっていないことを表すので、残念ながら~しなければならない(まだやっていないことを残念ながらこれからやらなければならない)という意味になります。動名詞は既にやったことを表すので、~したことを後悔するとなります。