不特定の物・人・数量を指す際に用いられる代名詞を不定代名詞(ふていだいめいし)と言います。形容詞として使われることもあります。
1.oneとit
- Because I lost my pencil, I want to borrow one. 鉛筆を失くしてしまったので借りたい。
oneは同種のものを指します。
例文では、失くした鉛筆それ自体ではなく別の鉛筆を借りたいと言っています。このようにoneはそれ自体ではなく同種のものを指すのです。
- “I painted a picture yesterday.” “Show me it.” 「昨日絵を描いたんだ」「見せて」
一方でitはそれ自体を指します。例文では、「昨日描いた絵を見せて」ということですから、昨日描いた絵それ自体を指すことができるitを用います。
ここまでの話をより厳密にすると、
- one:a + 名詞(不特定)
- it:the + 名詞(特定)
ということになります。1つ目の例文におけるoneはa pencilで不特定の鉛筆です。何か特定の鉛筆ではなく鉛筆なら何でも良いことを意味します。
仮にitを使ってしまうと失くした鉛筆を指すことになり、「失くした鉛筆を借りたい」というミステリアスな文になってしまいます。
一方で、2つ目の例文のitはthe pictureで特定の絵です。絵なら何でも良いわけではなく、昨日描いた絵を指しています。
2.some
- Some of my friends live in Tokyo. 私の友達の何人かは東京に住んでいる。
代名詞のsomeはいくらかという意味で主に肯定文で使われます。
- I have some CDs. 私は何枚かCDを持っている。
someは形容詞として使うこともできます。
- Would you like some coffee? コーヒーはいかがですか?
例文のように疑問文で使うこともでき、肯定的な返事を期待して用います。
先の例文では相手がコーヒーを飲むことを期待して「コーヒーはいかがですか?」と尋ねています。もし否定的な返事が返ってくると思っている場合、someではなくanyを使います。
3.any
- I need a pencil. Do you have any? 私には鉛筆が必要です。何本か持っていませんか?
anyはいくらかという意味で主に疑問文・if節で使われます。
基本的にいくらかと言う時に、肯定文であればsome、疑問文・if節であればanyを使うと考えましょう。
- I don’t have any apple. 私は全くリンゴを持っていない。
anyは否定文で使われると全く〜ないという意味になります。
- Do you have any apple? いくつかリンゴを持っていますか?
someと同様に形容詞で使うことも可能です。
4.both
- Both (of) my sons play baseball. 私の息子は2人とも野球をしています。
代名詞のbothは両方と訳されます。複数扱いです。
- The street lights are on both sides of the road. 道路の両側に街灯がある。
bothは形容詞として使うことも可能です。
5.either
- Either of you can eat this apple. あなたがたのどちらか一方がこのリンゴを食べることができます。
代名詞eitherはどちらか一方と訳されます。基本的に単数扱いです。
- Don’t eat either of these apples. どちらのリンゴも食べないで。
否定文ではどちらも〜ないという意味になります。
- I didn’t either apple. 私はどちらのリンゴも食べなかった。
形容詞として用いることもできます。eitherが修飾する名詞は単数形です。
6.neither
- Neither of my parents plays baseball. 私の両親はどちらも野球をしない。
代名詞neitherはどちらも〜ないと訳されます。単数扱いです。
- I have neither book. 私はどちらの本も持っていない。
neitherは形容詞として使うこともできます。neitherが修飾する名詞は単数形です。
7.all
- All of the students were present. 学生は全員出席した。
代名詞allは全てと訳されます。複数扱いです。
- He bought all apples which the store sold. その店で売られていた全てのリンゴを彼は買った。
allは形容詞としても使うことができます。
- They all played baseball. 彼らは全員野球をした。
人称代名詞と一緒に使われることで、その人称代名詞に全てという意味を付け加えることができます。人称代名詞とallは同格の関係です。
この場合のallの位置は一般動詞の前、be動詞・助動詞の後となっています。
8.none
- None of them didn’t do their homework. 彼らは誰も宿題をやらなかった。
代名詞のnoneは何も〜ないと訳されます。
none ofの後に来る名詞が複数である場合、noneは複数扱いになります。一方でnone ofの後に来る名詞が不可算名詞である場合、noneは単数扱いになります。
9.each
- Each of the students has to do their homework. 学生は各々宿題をしなければならない。
代名詞のeachはそれぞれと訳されます。単数扱いです。
- Each student has to do their homework. 各々の学生は宿題をしなければならない。
形容詞として用いることもできます。この場合、eachが修飾する名詞は単数形です。
- each legそれぞれの脚
everyは3つ以上のものに対して使う一方、eachは2つ以上のものに対して使います。したがって、2つしかないものに対してeveryを使うことはできずeachを使います。
例えば、each legのように2つしかないものについてはeveryを使うことができません。
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不定代名詞にはまだanotherやotherがあります。anotherとotherの用法・違いについては以下のページで解説したので参考にしてください。