無生物(人や動物以外の物事)の名詞が主語である文は、そのまま直訳すると日本語としてはわかりにくい表現になってしまうことがあります。
The news made me happy.
例えば、この例文では直訳するとその知らせは私を幸せにしたとなりますが、これをより日本語らしく訳すならばその知らせのおかげで、私は幸せになったでしょう。
おかげなどという言葉は先の例文の中には含まれていませんが、the newsのような無生物主語(むせいぶつしゅご)を条件・原因を表す副詞節として訳すと自然な日本語になります。
今回は、無生物主語と一緒に使われやすい動詞をいくつか紹介し、例文とともに訳し方を解説していきます。
make
The news made me happy. その知らせのおかげで、私は幸せになった。
無生物主語と一緒に使われるmakeは〜を作るを意味するmakeではありません。make O COをCにするという用法のmakeです。
S make O Cは直訳するとSがOをCにするですが、Sが無生物の場合SによってOがCすると訳す方が日本語としては自然です。
cause
The lack of experience caused him to fail. 経験がないため彼は失敗した。
causeもmakeと同様、S cause O to doでSによってOが〜すると訳しましょう。
元々causeには〜を引き起こすという意味があり、そこからOが〜する状態をSが引き起こす→SによってOが〜すると訳されるようになったと考えるとわかりやすいでしょう。
enable
The cell phone enabled us to call anytime. 携帯電話のおかげで私達はいつでも電話することが可能になった。
S enable O to doはSによってOが〜することを可能にすると訳すと自然な日本語になります。このenableはallowに書き換えることが可能です。
keep
The heavy rain kept us from playing soccer at the park. その豪雨のせいで、私達は公園でサッカーをすることができなかった。
S keep O from 〜ingでSによってOは〜することができない/〜しないという意味になります。
前置詞fromには分離のイメージがあるため、〜することから分離したままにするからSによってOが〜するのを妨げる→SによってOは〜することができない/〜しないと訳せるのです。
このkeepはpreventなどに書き換え可能です。
take
The road will take you to the park. その道を進むと公園に行けます。
takeには連れて行くの意味がありますが、道や乗り物を主語としたS take O to 〜ではSがOを〜に連れて行く→Sを進むと[に乗ると]Oは〜に行けますという訳になります。
say
The sign says, “STOP.” 標識には「止まれ」と書かれている。
sayには標識や看板、本などを主語にして〜と書いてあると訳される用法があります。