今回は、英語の文や語句を繋げる、いわば接着剤の役割を持つ接続詞(せつぞくし)について解説します。接続詞には大きく分けて等位接続詞(とういせつぞくし)と従位接続詞(じゅういせつぞくし)の2種類があり、これらを勉強することで文の構造が理解しやすくなります。
1.等位接続詞
語と語、句と句、節と節といった文法的に同じ要素を対等な関係で結ぶ語を等位接続詞と言います。
- I ate an apple and an orange. 私はりんごとみかんを食べた。(語と語)
この文では等位接続詞andがan appleとan orangeという語を結んでいます。
語と句、語と節、のような文法的に異なる要素を繋げるのではなく、例文のように、語と語、句と句、節と節といった同じものを等位接続詞は繋げるのです。
等位接続詞には代表的なものとしてand、but、or、so、forがあります。一つずつ見ていきましょう。
1-1.and「と」「そして」
- I went to the lake and walked around it. 私は湖に行き、そこを散歩した。
andはと、そしてと訳します。
等位接続詞andによってwent to the lakeとwalked around itが結びつけられています。今回は動詞句を結びつけている例でしたが、このように語と語、句と句、節と節といった文法的に同じ要素を結ぶのが等位接続詞の役割です。
1-2.but「しかし」
- He is rich but kind. 彼はお金持ちだが親切だ。
butはしかしと訳します。
等位接続詞butによってrichとkindが結びつけられています。
1-3.or「または」
- Do you play soccer or tennis? あなたはサッカーをしますか、あるいはテニスをしますか?
orはまたはと訳します。
等位接続詞orによってsoccerとtennisが結びつけられています。
1-4.so「そういうわけで」
- We wanted to play soccer, so we went to the park. 私達はサッカーをしたかったので、公園に行きました。
soは理由, so 結果という形で使われ、(理由)ので、(結果)と訳します。
等位接続詞soによって、we wanted to play soccer(理由)とwe went to the park(結果)が結びつけられています。
1-5.for「というのは~だから」
- We didn’t go to the park, for it was rainy. 私達は公園に行きませんでした。というのは雨が降っていたからです。
forは結果, for 理由という形で使われ、(結果)。というのは(理由)だからと訳します。
等位接続詞forによって、we didn’t go to the park(結果)とit was rainy(理由)が結びつけられています。
2.等位接続詞を用いた重要表現
ここからは等位接続詞を用いた重要な表現を紹介します。
2-1.both A and B「AもBも」
- I met both him and her. 私は彼にも彼女にも会った。
bothはboth A and Bという形で使われ、AもBもと訳します。
このboth A and Bが主語になった場合、複数扱いされます。
- Both he and she play the piano. 彼も彼女もピアノを弾いている。
複数扱いされるので、playは3人称単数現在のようにplaysとはなりません。
2-2.either A or B「AかBか」
- Either you or she has my book. あなたか彼女のどちらかが私の本を持っている。
eitherはeither A or Bという形で使われ、AかBかと訳します。
このeither A or Bが主語になった場合、動詞はBに合わせます。例えば、先の例文ではBに当たるものがsheでした。したがって、3人称単数現在ですからhaveではなくhasとなります。
- Either she or you have my book. 彼女かあなたのどちらかが私の本を持っている。
のようにAとBを入れ替えBにyouを持ってきた場合、3人称単数現在ではないのでhasではなくhaveとなります。
2-3.neither A nor B「AもBも〜ない」
- Neither you nor he plays tennis. あなたも彼もテニスをしない。
neitherはneither A nor Bという形で使われ、AもBも〜ないと訳します。
このneither A nor Bが主語になった場合、either A or Bの時と同様、動詞はBに合わせます。そういうわけで、先の例文ではheに合わせてplaysになります。
- Neither he nor you play tennis. 彼もあなたもテニスをしない。
Bにyouを持ってきた場合は3人称単数現在ではないのでplaysではなくplayとなります。
2-4.not only A but (also) B「AだけでなくBも」
- He can speak not only English but also Spanish. 彼は英語だけでなくスペイン語も話すことができる。
not only A but also BはAだけでなくBもと訳します。
このnot only A but also Bが主語になった場合、動詞はBに合わせます。
- Not only I but also he plays tennis. 私だけでなく彼もテニスをします。
not only A but also BはB as well as Aを用いて書き換えることができます。AとBの位置が前後逆であることに注意してください。
- He can speak Spanish as well as English.
2-5.not A but B「AではなくB」
- He is not a student but a teacher. 彼は学生ではなく先生です。
not A but BはAではなくBと訳します。
またこの表現は、以下の例文のように書き換えることができます。
- He is a teacher, not a student.
3.従位接続詞
従位接続詞によって導かれる節を従属節と言います。この従属とは従うという意味ですが、その名の通り、従属節は主節に従うような形で結びついています。
3-1.名詞節を導く場合
- I think that she is active. 彼女は活動的だと私は思う。
この例文ではthatが従位接続詞となっており、従位接続詞thatが導く節を従属節(that she is active)と言います。この従属節は名詞節で、動詞thinkの目的語です。目的語でありながらも節であるためその中にもまたSVC(she is active)という文が形成されています。つまり全体の文がSVOで、そのうちのOの中にSVCが組み込まれているのです。
このように従位接続詞が名詞節を導く場合は、文の中に文が組み込まれる形になります。
今回、文(主節)の中に文(従属節である名詞節)が組み込まれていましたが、このように従属節はその名の通り主節に従う形で使われます。
名詞節を導く接続詞にはthatの他に、whether[if]があります。
- I don’t know whether[if] he plays tennis or baseball. 彼がテニスをしているのか、野球をしているのか、私にはわからない。
whether[if]は名詞節を導く際、〜かどうかと訳します。
3-2.副詞節を導く場合
- He was cooking when I went home. 私が家に帰った時、彼は料理をしていた。
従位接続詞が導く副詞節(従属節)は、主節であるHe was cookingがなければ意味を成しません。文のメインとなるところは主節です。この主節がなければ言いたいことはなくなってしまうのです。
名詞節を導く場合、副詞節を導く場合を見てきましたが、どちらにせよ従属節と言われるように、あくまでも言いたいことは主節であって、従属節はそこに従属する形で用いられます。主節あっての従属節と覚えましょう。
副詞節を導く主な従位接続詞