英語の形容詞と副詞には原級・比較級・最上級という3つの形があります。普段目にしている形容詞・副詞は原級といわれる基本形です。
- Tom is tall.トムは背が高い。
- Hanako is smart.花子は賢い。
この形容詞・副詞に比較対象が現れるときに比較級と最上級は使われます。
- Tom is taller than Hanako.トムは花子より背が高い。
- Hanako is smarter than Tom.花子はトムより賢い。
上の文で形容詞tallとsmartの形がそれぞれ変化しているのがわかると思います。これは文中に比較対象が現れているからです。
このページではまず、形容詞が比較級や最上級になるときにどのような形の変化をするのか見ていきます。
1.形容詞の変化
- Tom is tall.トムは背が高い。
- Tom is taller than Hanako.トムは花子より背が高い。
- Tom is the tallest in the class.トムはクラスで一番背が高い。
上の文から順に、原級、比較級、最上級が使われています。原級は辞書に載っているそのままの形ですが、比較級、最上級は形が変化しています。
この変化を文法用語では、形容詞の比較変化と言います。
比較変化には、
- 規則的な変化をする形容詞
- 不規則な変化をする形容詞
の2種類があります。まずは規則的な変化を見ていきましょう。
2.規則変化する形容詞
規則変化する形容詞にも2種類あります。下2つの形容詞ペアを見てください。それぞれ原級:比較級:最上級の順に並んでいます。
- tall:taller:tallest
- important:more important:most important
1つ目の形容詞tallは、比較級では語尾に-er、最上級では語尾に-estが付いています。
2つ目の形容詞importantは、比較級ではmoreが前に、最上級ではmostが前に置かれているのが分かります。
このように規則変化する形容詞には、
- 語尾に-er/-estをつける種類
- 前にmore/mostをつける種類
の2つが存在します。ではどの形容詞がどちらの種類に属するのでしょうか。
英語には、音節という音のまとまりがあります。例えば、imoportantなら辞書にim・por・tantと表記されていますが、これはimで一つの音のまとまり、porで一つの音のまとまり、tantで一つの音のまとまりと見なされているからです。基本的にこの音のまとまりは一つの母音を中心に形成されます。
2-1.-er/-estをつける種類
このタイプに属する形容詞は、
- 1音節の形容詞
- 2音節で語尾が-y/-er/-ow/-leで終わる形容詞
です。基本的に短い形容詞はこの種類に属します。詳しく見ていきましょう。
2-1-1.1音節の形容詞
1音節の形容詞はtall、kind、youngなどが挙げられます。これらの形容詞は語尾に-er/-estをつける種類なので、次のように比較変化します。
- kind:kinder:kindest
- young:younger:youngest
2-1-2.2音節で語尾が-y/-er/-ow/-leで終わる形容詞
2音節で語尾が-y/-er/-ow/-leで終わる形容詞としては、pretty,clever,narrow,nobleなどがあります。これらの比較変化は、
- pretty:prettier:prettiest
- clever:cleverer:cleverest
- narrow:narrower:narrowest
- noble:nobler:noblest
となります。
-er/-estタイプの形容詞の中で、語尾が次のパターンで終わるものは注意が必要です。
①語尾が-eで終わる形容詞
largeのような語尾が-eで終わる語の場合、-er/-estではなく、-r/-stをつけます。これは-eが重なるのを防ぐためです。
- large:larger:largest
②語尾が子音字+yで終わる形容詞
earlyのような語尾が子音字+yで終わる後の場合、yをiに変えて-er/-estをつけます。
- early:earlier:earliest
③1母音字+1子音字で終わる形容詞
bigのような1母音字+1子音字で終わる語の場合、子音字を重ねます。
- big:bigger:biggest
2-2.more/mostをつける種類
規則的な比較変化をする形容詞の中で、
- 多くの2音節の形容詞
- 3音節以上の形容詞
- 語尾が-lyで終わる形容詞
がmore/mostをつけるタイプの形容詞です。
2-2-1.多くの2音節の形容詞
carefulのような、多くの2音節の語がこの種類に属します。
- careful:more careful:most careful
2音節でも語尾が-y/-er/-ow/-leで終わる形容詞は-er/-estをつける形容詞なので気をつけましょう。
2-2-2.3音節以上の形容詞
difficultのような3音節以上の語がこのタイプに属します。
- difficult:more difficult:most difficult
2-2-3.語尾が-lyで終わる形容詞
lovelyのような語尾が-lyで終わる語がこのタイプに属します。
- lovely:more lovely:most lovely
3.不規則変化する形容詞
これまでに見た比較変化には一定の規則がありましたが、これから紹介する比較変化は不規則なものです。一つずつ覚えていきましょう。
原級 | 比較級 | 最上級 |
good | better | best |
bad | worse | worst |
many | more | most |
much | more | most |
little | less | least |
不規則変化する形容詞の数は多くありません。ただし、このカテゴリーに属する形容詞はgoodやbadなど日常的にも使用頻度の高い単語なので、できるだけ早めに覚えるようにしましょう。
意味によって異なる比較変化
late遅い・後の、far遠い・それ以上の、old古い・年上のはその意味によって比較変化が異なります。
late
時間のlate[形]遅い/[副]遅くの場合、その比較変化は、
- late:later:latest
となります。
順序のlate[形]後のの場合、その比較変化は、
- late:latter:last
となります。
far
距離のfar[形]遠い方の、向こう側の/[副]遠くにの場合、その比較変化は、
- far:farther:farthest
もしくは
- far:further:furthest
となります。
程度のfar[形]それ以上の[副]さらにの場合、その比較変化は、
- far:further:furthest
となります。距離のfarであればfartherでもfurtherでも問題ないですが、程度のfarの場合はfar:further:furthestしか認められません。
old
古い、年を取ったという意味のoldの比較変化は、
- old:older:oldest
となります。
一方で、elder brother兄のように兄弟姉妹といった肉親関係の間で年上のという意味を表す場合、その比較変化は、
- old:elder:eldest
となります。ちなみに、I’m older than you. のようにolderは補語として使えますが、このolderの代わりにelderを使うことはできません。
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